先日まで「梅雨明けはまだか?」と思っていたのですが、こうも急激に暑くなると「秋はまだか?」と思ってしまいます。しばらく我慢の日々が続きますね。こんにちは、RISEの白石です。

さて、京都アニメーションの放火事件について連日報道されておりますが、皆さんあれを見て何を思ったでしょうか?保険屋の私がまず考えたのは何の保険が支払われるだろうかということです。

まずは建物や什器備品の火災保険です。全焼で原因も特定されているので保険会社から比較的早く支払われるでしょう。その後、保険会社が被告に対して求償する流れになるかと思います。

続いて、個人の生命保険。これは病気でも事故でもなくなったことを条件に払うので、もちろん支払いの対象になります。事故死亡時に上乗せして払う特約等が付いていればそちらも対象になるかと思います。

今回、悩んだのが国の労災保険です。これは先日まで支払い対象になるかわかっていませんでしたが、10日程の時間を経てようやく労災の対象になると見解がありました。労災の遺族給付は「業務または通勤が原因で亡くなった労働者」が対象になっています。今回は、業務中ではあったけれども亡くなった原因が放火となると支払わなくてもよいという判断もあり得ました。そのため今回がどのような判断になるか注目していましたが、支払いになりました。

その他、私が気になっているのは避難訓練が行われていたのかということです。今回35名の方が亡くなっていますが、年に1回程度避難訓練を行っていて今回の結果なのか、もしくは一度も行ったことがなく今回の結果なのかによって、企業の負う責任は変わってくるかと思います。現在企業には安全配慮義務が課せられています。安全配慮義務違反が問われるときに①予見可能性、②結果回避性の2つが出てきます。今回の場合、予見可能性は限りなく0に近いと思いますが、結果回避性については避難訓練等で変わってくるように思います。遺族や負傷者が今後会社の責任を問うて賠償請求するかわかりませんが、企業としては1年に1回程度避難訓練を行うことが従業員の命を守るためにも、また企業を守るためにも重要かと思います。これまでに一度も行ったことのない企業のみなさん、ぜひ一度避難訓練実施の検討をしてみてください。